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まえだ治療院(兵庫県加古川市の整体院)

精神医学の歴史外伝最終回⑥「他職種を巻き込んだ精神生物学」

みなさん、こんにちは、私です。

 

精神医学の歴史外伝

maedaaaclinic.hatenablog.com

の続きになります。

 

今回が精神医学の歴史外伝、最終回となります。

 

日本では明治維新前後

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世界では精神疾患の理解が深まっていく兆しが見られます。

 

クレペリンが点在していた病名を

今でいう統合失調症双極性障害

「早発性痴呆」と「躁うつ病」にまとめ、

のちにブロイラーが早発性痴呆を精神分裂病とします。

maedaaaclinic.hatenablog.com

そしてイギリスのジャクソン(1835-1911)は精神分裂病の症状を発展させます。

 

陽性症状と陰性症状

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ジャクソンは神経系の発達進化(系統発生・個体発生)を想定し、

ヒトの神経学的・心的構造は進化と分化により獲得した階層的な機能から成り立ち、

神経および精神の障害は、低次(古層)の機能水準への解体または退行と考えた。

 

精神症状を陽性症状と陰性症状に大別し、

陰性症状は高次の機能が欠落した状態、

陽性症状は高次の抑制がとれて低次機能が解放されて生じるとした。

 

陰性症状は通常人間に見られるものが失われてしまう状態

陽性症状は通常人間には見られない症状が現われる状態

 

陰性症状には感情の鈍麻・平板化・意欲低下・思考の貧困など

陽性症状には幻覚・妄想・滅裂思考など

が含まれ、これらの用語は現在でも用いられている。

 

精神生物学と発達的生活史の重視

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スイス人でアメリカに移住したアドルフ・マイヤー(1866-1950)は、

ヨーロッパ精神医学をアメリカに導入し、ジョンズ・ホプキンス大学で、

アメリカ精神医学の近代化に貢献した。

 

クレペリン体系も取り入れたが、疾患単位の概念より環境への適応

「全人格的な反応」を重視する「精神生物学」を提唱します。

 

精神分析の性急な理論化には批判的で、

個体の環境要因(外部刺激)に対する不適合な反応形式の継続が

習慣レベルの低下をもたらすとし、発達的生活史の研究に力点を置いた。

 

マイヤーが開設したヘンリー・フィリップス精神科クリニック(1913)は、

臨床を重視する最先端のジョンズ・ホプキンス大学の連携病院で、

アメリ作業療法の先駆者エレナ・クラーク・スレイグル(1876-1942)が

作業療法部門を担当した。(1913-1915)

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マイヤーの「作業療法の哲学(1922)」は

心理学者ピエール・ジャネの「現実機能」の概念を援用し、

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意味のある時間の使い方や、過去に学習した不適切な反応を健全な「習慣形成」に変化させることを重視し、作業療法創設期の実践に多大な影響を与える。

 

また当事者運動の先駆者クリフォード・ベアーズ(1876-1943)の

精神衛生運動を支援し、精神衛生への社会的関心の高まりは、

20世紀以降の心理学者やソーシャルワーカーの台頭と

1930年代の集団療法の導入につながった。

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精神医学の歴史外伝。お付き合いいただきありがとうございました。

 

次回からは精神医学とともに発展していった力動精神医学の歴史を

ご紹介していきます。

 

maedaaaclinic.hatenablog.com

 

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終わり

 

ではまた✋