まだなにも決まっていない blog

まえだ治療院(兵庫県加古川市の整体院)

精神医学の歴史⑯最終回「脱施設化と精神科医療これからの課題」

みなさん、こんにちは、私です。

maedaaaclinic.hatenablog.com

 の続きです。

 

精神医学の歴史シリーズ、今回が最終回になります。

 

脱施設化

従来の精神病院では、興奮や、奇妙な行動が見られる場合には、

患者を抑えるために、大量の鎮静剤や拘束衣が用いられていました。

多くの患者は自由を制限されたまま、一生を精神病院で過ごしていたのです。

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しかし向精神薬の登場により、劇的に精神障害の症状が改善されていき、

症状がコントロールできるようになると、退院・社会復帰に向けた

精神療法や※リハビリテーションを受けられるようになりました。

※リハビリの一般的なイメージは歩行訓練や筋トレなどのイメージがありますが、

起源は精神科にあり、もう一度「その人のあるべき姿を取り戻す」ことが

リハビリになります。

Rehabilitationは再びのReハビリテーションで全人間的復権の意味です。

 

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特にアメリカでは1963年のケネディ教書によって地域社会精神保健の展開が開始され、

以後いわゆる脱施設化(脱入院化)の方向への活動が続けられている。

このことにより患者のQOLが大きく向上していくことになっていく。

 

向精神薬の副作用

向精神薬は治療や患者のQOL向上に役立つ一方、副作用が問題視されていく。

手が震えてしまう振戦、よだれや口の動かしにくさ、性ホルモンの異常や、

肥満や血糖値の上昇など多岐にわたります。

 

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クロルプロマジンから比べるとかなり改善されたと言えますが、

現在の薬でも副作用は起こります。

 

帰る家がない

脱施設化の急進的な施策を行っているのがカリフォルニア州で、

精神病院に入院した患者の多くは3日間の緊急入院と14日の拘束入院の計17日で

退院し、地域社会内の諸施設でケアを受けるようになっている。

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このような急激な脱施設化はイタリアの一部でも行われていますが、

地域の受け入れ体勢が整っていないままに

性急に脱施設化を進めることには問題もあり、批判も少なくない。

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事実、脱施設化の結果、

なかば強制的に退院していった患者が

その後ホームレスとして暮らしていた例が

あとを絶たなかったからである。

 

これからの課題

世界の精神科医療が従来の入院治療を中心とする治療体系から、

地域の中で治療を行う地域医療中心の体系にと変換しつつあることは事実であり、

そのように精神障害者を社会の中で治療することは、

より治療後の社会復帰を容易にするとともに、

家族や社会一般の精神障害に対する偏見を除き、

精神障害を社会全体の責任として受け止めていけるようになることが期待される。

 

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さいごに

古代ギリシャ時代、

ヒポクラテスが「精神障害は一部脳の病気である」とし、

より人道的な医療のあり方を説いたが、

それが叶うまでに、人類は2000年以上の時間を使ってしまった。

maedaaaclinic.hatenablog.com

 

そして現代精神医学はまだ始まったばかりである。

 

 

 

次回からは精神医学の歴史:日本編が始まります。

そちらもお付き合いいただけますとうれしいです。

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maedaaaclinic.hatenablog.com

 

私でした。

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ではまた✋